『報道』

2020年06月03日

6月3日

書きたいことはいろいろあるが 今日は書かなければならないことがある


1991年6月3日 雲仙普賢岳で大火砕流が発生した

大火砕流による 死者・行方不明者は43名にのぼる

この内20名は報道関係者(アルバイト・報道用のタクシー運転手を含む)であった

報道関係者を規制するために入っていた地元の消防団の方々も被害に遭っている

報道各社が「迫力ある映像」を競って 危険区域にまで入り込んでいた結果である

たかが「迫力ある映像」のために多くの命が失われたのである

こういうのを『報道』とは言わない




黒川元検事長の「賭け麻雀」が問題となっているが 

問題の根底には『記者クラブ』制度がある

報道各社は公的機関のプレスリリースをほとんどそのまま報道している

換言すれば「もらったネタ」をそのまま記事にしているのである

もっといいネタがもらいたければ もっとお近づきにならなければならない

「夜討ち朝駆け」も「賭け麻雀」もお近づきになるための手段である

こうして『頂戴』したネタを「スクープ」と呼んでいる

こういうのを『報道』とは言わない


国民は自身の人権を守るため 権力を注視し評価しなければならない

しかし 国民が直接自分の目で見ることができるものは極めて少ない

国民の人権にかかわる大切なことを明らかにして 国民に伝える

そういうのを『報道』という


そのために『報道の自由』は与えられているのである



あれからもう29年が経つ 来年も書くだろう 合掌



ということで 今日はここまで