『天安門事件』

KEATON2

2020年06月08日 15:20

6月4日で『天安門事件』から31年となった
この話は 『プラハの春』から始めたい 少しだけ長くなるがご容赦願いたい


『プラハの春』
現在の「チェコ共和国」「スロバキア共和国」は
かつて「チェコスロバキア」という一つの社会主義国家だった

「プラハ」はチェコスロバキアの首都で 
『プラハの春』とは1968年に巻き起こった民主化運動である

だがソ連軍を中心としたワルシャワ条約機構軍によってこの運動は制圧された

しかしその20年後 ソ連のゴルバチョフの影響もあり チェコスロバキアで再び民主化運動が盛り上がる かつて『プラハの春』に参加していた学生たちは40歳代となり 社会の中でそれなりの地位を占めていた 果たして 1989年社会主義の放棄と民主化が実現した


『天安門事件』
1989年 中国では学生を中心とした民主化運動が盛り上がり
民主化を求める多くの一般市民が 天安門広場を埋め尽くしていた



6月4日中国軍の戦車などが天安門広場に集まった人々を襲った
中国政府は武力行使によって民主化運動の鎮圧を図ったのである

この武力弾圧によって 何の武力も有していない多くの一般市民の命が奪われた 
その数  数百人とも イギリスの外交文書では1万人以上とも言われている


当時 私も20代であった  
テレビの映像に強い怒りを覚えるとともに 『プラハの春』のことを思い起こしていた

チェコスロバキアもかつて民主化運動を武力によって弾圧されたが その後民主化を実現させている 中国も民主化を強く求めている若い世代が 社会の中心を担うようになってくればいずれ民主化を実現できるのではないか

それまで20年かかるのか 30年かかるのか 私たちはそれを見つめ続けるべきであり 戦車に押しつぶされていった人たちの無念を忘れてはならない

そう強く思ったのを今でもはっきり覚えている


1993年には「市場経済」が導入され、中国経済は急成長を実現する 
1997年「香港」が「中国」に返還され 『一国二制度』により『資本主義』を内包するようになる

これらの「経済の自由化」「経済の成長」が民主化の下地になるのではないか 
そういった私の見通しは極めて甘かったと言わざるをえない


『天安門事件』から31年を前にした先月
中国政府は『国家安全法』の制定方針を中国全国人民代表大会で採決した
これは「反体制活動」を大きく制限するものである
中国の民主化は再び大きく後退した


中国も「主権国家」である以上 内政の干渉は許されない
しかし 私は見守り続ける 小さな声を上げ続ける
彼らが『自由』を手にするまで



ということで 今日はここまで

 

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